佚名 尹蕾
六、二小姐遭厄年[1]對君為之獻身
太政大臣家的公子中,大公子是中納言兼左衛(wèi)門督,二公子是宰相右中將。太政大臣心想,“小女兒與關(guān)白家的權(quán)中納言結(jié)成夫婦才更般配?!笨墒怯植荒軖侀_大小姐,讓二小姐先結(jié)婚,只能在心中默念,“要想辦法讓小女兒也得到不亞于大女兒的幸福婚姻。”在這煩惱的關(guān)頭,七月一日,出現(xiàn)了非常不吉的先兆。大臣心下吃驚,令人占卜,多位陰陽師都上稟道:“二小姐因遭遇厄年,應(yīng)堅守己身。”大臣心想,“二小姐的樣貌身姿都過于出色,在此世間恐怕難長久?!贝蟪颊箲]不安之際,又遇到如此兇兆,心緒不寧,在忙于大小姐婚事準備的同時,也派人為二小姐進行各種祈禱。
大小姐、二小姐的亡母之兄,被稱為宰相,他有兩個女兒,一個兒子。那兒子出家做了法師,近來在比叡山修行,成為了無人可比的知識僧和法力高強的行者,兼了法性寺的別當,并身居僧都之位。兩個女兒之中,大女兒成了但馬守的妻子,生了很多孩子,相對的經(jīng)濟上很寬裕,過著閑適的日子。小女兒以前被太政大臣的夫人當作自己女兒一般撫養(yǎng),夫人去世后,就與小姐們作伴,還是留在府邸中,被人稱為“對君”。太政大臣有時孤枕難眠,也會悄悄去對君處拜訪,她深感羞恥,為自己的遭遇悲傷哀嘆。對君強忍心情,裝作若無其事一般,也不離開小姐們的身邊,盡心照料她們。大小姐身邊服侍的是頗有身份的乳母,以前大臣無聊之際,也經(jīng)常召她來伺候。相比之下,對君年輕漂亮,氣質(zhì)高雅,大臣移情別戀之后,乳母對她深為嫉妒,甚至還給她取了個“現(xiàn)任夫人”的諢名,將對君視為仇敵。對君不勝其擾,對大小姐也敬而遠之。二小姐的乳母性情溫和,只是剛剛?cè)ナ?,如今二小姐身邊沒有一位穩(wěn)重可靠之人。而且二小姐一直與對君甚是親近,對君也很喜愛二小姐,與之在一起內(nèi)心很放松,因此只是一味地在二小姐身邊侍奉,太政大臣也說:“此事正好。今后你便專心在二小姐處服侍吧?!比f事都拜托給她,從此她更是一心一意在此處,大小姐處的乳母們風言風語愈演愈烈,對君只是裝作不知,一心親近掛念可愛的二小姐,煩心事和痛苦的事都以此慰藉。
七、二小姐去九條避方忌
法性寺僧都在九條擁有風雅的宅邸,將彼處當作休閑之所,有時對君也會去那里。太政大臣家大小姐的婚禮臨近,眾人手忙腳亂。二小姐的齋戒防范,容易變得疏忽,因為是重要的齋戒,大家都忙于準備婚禮,無暇顧及,因此二小姐必須離家去別處齋戒。“如此一來,去九條吧。”因此,二小姐只帶了對君一人,悄悄地移去那邊。而但馬守之女,正好這個夏天招了女婿,一直被寶貝養(yǎng)育的女兒也移去新居,因為方角有忌諱,因此為了避方忌,有四十五天也要在九條宅邸度過。其母親為看望女兒,經(jīng)常來九條,她與二小姐及對君也有親戚關(guān)系,其女也順理成章地到二小姐身邊伺候。這女兒被二小姐優(yōu)美身姿所吸引,內(nèi)心盼望著可以天天目睹其風采。二小姐與這女兒關(guān)系日漸親密。涼風習習,月色明媚之夜,鄉(xiāng)間景色宜人之處,兩人對坐走廊邊,邊閑談,邊賞月。二小姐的齋戒是十七日,這是十六日夜晚的事。
八、中納言偶然去東臨看望乳母
僧都家與東邊鄰家,只用吳竹的圍欄隔開,住的是左大臣家中納言的乳母。乳母這數(shù)月因病臥床不起,移居此處削發(fā)為尼。為看望乳母,中納言正巧今日偷偷來此。老尼不住地嘮叨:“離別悲苦,遺憾之極?!敝屑{言也不忍棄之不顧,來了馬上便走覺得老人實在可憐,便決定今夜在此留宿。夜深人靜之時,聽著附近吹來的風中夾雜著合奏的琴聲,琴聲渾然一體十分美妙,不由得側(cè)耳傾聽起來?!皩嵲谑且庀氩坏健>烤故呛稳俗≡诖颂??”中納言問身邊侍奉的人。他的乳母子被稱為少納言行賴,回答道:“那是法性寺僧都名下的宅邸,從今年六月起,但馬守時明朝臣的女兒移居此處。值此月明之夜,合奏樂曲為樂?!敝屑{言說:“但馬守之流的女兒們,喜好這樣風雅的游樂嗎?真沒想到啊。”“像今夜這般來到走廊邊,彈奏樂曲之時,哪一位都令人覺得美貌無比。其中,已經(jīng)與源大納言之子辯少將締結(jié)婚約,一直被父母疼愛的三女兒,應(yīng)是各方面最為出眾的。我聽說,式部卿親王家的中將[1]在去石山參拜時,依稀看到了此女的容貌,便派人送去情書,那三女兒也回信了,一副對中將心有所屬的樣子。可那中將卻說,‘我還是偷偷去見你吧。不能讓父母知道,將此事公之于眾。因此,女方父母認為此事不可取,便替她跟辯少將訂了婚約?!敝屑{言聽了笑笑,說:“這只是她父母的一廂情愿,不是她本人的意思吧。這是個多情的女子,她明明對中將一往情深。”說完,向宅邸間的吳竹圍欄靠近,側(cè)耳傾聽,琴聲合奏非常美妙,特別是箏琴的音色格外動聽。
九、中納言窺見二小姐驚為天人
兩個宅子之間并無圍墻,只以竹林相隔,行賴將竹叢分開,說道:“既然要聽,不如靠近一點的好。請從這里進去吧。”中納言一邊說著:“被人看到不太好吧。太輕率了?!币贿厖s被悠揚的琴聲所吸引,心中想著一定要見見彈琴之人,便悄悄地走了進來。此處竹子多且茂密,還有松樹枝伸展過來,正巧樹陰處不會被人發(fā)現(xiàn)。透過房屋附近的籬笆處茂密的荻草,能看到庭院中的池塘、溪流,鋪設(shè)的細砂,皆十分雅致。正對庭院的房間,卷著簾子,首先映入眼簾的,是一位看似三十歲的年長之人,正在闌干處彈著和琴。此人身姿纖細,氣質(zhì)高雅,十分優(yōu)美。不僅如此,她的頭發(fā)光澤柔順,讓人看著非常舒適,還有一位與她相對而坐的女子。因為月光的關(guān)系,雖然看不真切,她身上大概是紅或二藍配色的衣服,肌膚白嫩透亮,是位美人。她從簾子里出來,倚靠在廊間的橫木上,向庭院中眺望。聽到琵琶那終極的音色,又看到她本人的容貌姿態(tài),兩者合二為一之時,感到她實在與眾不同,不由被她那種穩(wěn)重所吸引。她蓬松的額發(fā)中露出的額頭,也是白皙而動人,實在是位清秀的美人。那么,一直心中記掛的那位彈琴的女子在何處呢?她坐在橫木靠內(nèi)一側(cè),剛剛彈奏完,順勢倚在琴上,眺望著漸漸西斜愈發(fā)澄凈的月亮,她的美麗十分出眾——與剛才兩位女子相比,就如同在云中發(fā)現(xiàn)純潔的滿月之光一般,中納言被這意想不到的美麗驚得目瞪口呆?!按巳艘欢ň褪切匈嚳滟澋娜〗恪T跈M木邊緣的是她的姐姐們吧。她們這樣的在受領(lǐng)家算得上出類拔萃的美人吧?!币恢蹦坎晦D(zhuǎn)睛地看著,“容貌身姿與家世背景真是毫無關(guān)聯(lián)呢。這正如卑賤的竹取翁家才有輝夜姬一般吧?!币贿呥@樣想著,覺得映入眼中的女子之美,簡直無法用語言來形容。
不知是否因為前世有緣,中納言并不想今夜就此錯過,輕輕地從荻草叢中站起,對行賴說:“我在竹林中再多看一會兒?!闭f完,回到剛才的竹影處隱身觀察,而演奏和琴之人回到里屋去了。琵琶和箏的彈奏者似乎一邊低聲交談,一邊賞月。其他侍女似乎去池邊納涼,池塘方向變得人聲嘈雜,而這邊則一片寂靜。“突然的輕率舉動,自然會引起草率的事情發(fā)生”,平日里擁有優(yōu)于常人的自制力,意志堅定的中納言,只有今夜變得不能自已,連自己都覺得不可思議?;蛟S因為想著對方的身份遠遠低于自己,變得看低對方,認為無需客氣?!叭羰清e過今夜,以后再慢慢接近,這樣的好機會,怕是再也不會有了?!彼@樣想著,從竹影處走到月光下,悄悄地進入了房內(nèi)。
未完待續(xù)
原文出自小學館《日本古典文學全集》19《夜半驚醒》(1974年)
譯者簡介:尹蕾,中南財經(jīng)政法大學外國語學院日語系講師,研究方向為日本古典文學、日本古代史。
大厄之年:厄年是陰陽道中指會遭遇諸多不幸的年份,一般男子25歲和42歲,女子19歲和33歲。其中,男子42歲和女子33歲被稱為大厄之年。
六、中の君、大厄の年にあたる対の君獻身する
男君、太郎は左衞門督かけたる中納言、二郎は右宰相中將にてぞ、ものしたまふ。「中君こそ、さしならべたらむに、いますこし、あはひよからめ」と思しながら、姉君は、え引きこし給はで、かたつ方の御心には、「いかでこれにおとらぬ樣にも、とりつづき見てしがな」と、思しみだれたるに、七月一日、いとおどろおどろしき、もののさとししたり。おぼしおどろきて、物とはせ給へば、「中の姫君の御年あたりて、おもくつつしみ給べし」となん、あまたの陰陽師かむがへ申たり?!赣郡沥ⅳ辘丹蓼?、めでたくすぐれて、この世には経たまふまじきにや」と、あやうくゆゆしう見奉り給ふに、かかれば、おぼしさはぎて、ちかくなりぬる御急ぎにそへても、この御祈りはさまざまにはじめ給ふ。
母上の御兄、宰相といひし人の、女二人、男子一人ありしは、法師になりて、山に、このごろならびなき智者驗者にて、法性寺の別當かけたる僧都の位にてあり。女は但馬守なる人の妻にて、こどもなどあまたいできて、さるかたに、したたかなるさまにありつきたり。妹は、故上の、子のやうにておほしたて給しかば、上うせ給てのち、君だちの御具になりて對の君ときこえて、ものし給。この殿もさびしきひとり寢のおりおり、うちしのびたちより給ふを、女、よにしらず、はづかしくかなしきものに思ひて、あながちに、さりげなくもてなして、君だちの御方はなれず、おもひ後見きこゆるなかにも、大姫君は、やむごとなき御乳母もそひ奉りて、殿の御つれづれのおりおり、つかひならはしなどし給へりけれど、この君の、いとわかう、あてやかにおかしきに、思しうつろひたるやうなりければ、いと心よからぬ物に思ひて、「今北の方」とつけて、きしろひおとしめられて、いみじくはづかしく、わりなければ、あの御方には、今となりては、いたくも見なれ寄らず。中君には、いとよかりし御乳母もなくなりて、大人大人しき後見もなきままに、心うつくしう、ひとへにうちとけ睦びおはしたるが、いとあはれにおぼえて、心やすくもあれば、ただこの御身にそひて起きふし給を、大臣も「いとよかんめり。この御方にあづかりて、思し後め」とて、よろづにうちあづけ給へれば、こなたがちにおもむき果てにたれば、いと聞きにくさまされど、聞きしらぬさまにて、らうたく心ぐるしきありさまをうち語らひて、憂きもつらきも、なぐさめ給ふ。
七、中の君九條へ方違え
法性寺の僧都、九條にいとをかしき所領(lǐng)ずるを、ときどき心やすき所にてぞ、對の君まかでなどしける。殿の御いそぎちかうなりわたれば、いと物さはがしう、おほかたなれば、かたき御物忌にてあしかるべければ、所さりて忌み給べきなれば、「そこにて」とて、對の君ばかりをそへて、いといみじく忍びて。この夏、但馬守の女、婿とりせむとてかしづくも、あたらしきところにわたすべきも、方のふたがりければ、四十五日違へに、そこにぞあらせける。母君まかりかよひ、よそ人にもあらねば、女もやがて御前に參りて、めでたくおかしげなる御さまを、あけくれかくて見ばやと、わかき心地には思ひけり。かたみになつかしく思えて、風すずしく月あかき夜、山里めかしくおもしろき所なれば、端ちかくいざりいでて、物語などし給ひつつながめ給。御物忌は十七日なりければ、これは十六日の夜なり。
八、中納言、たまたま東隣に乳母を見舞う
東に、ただ呉竹ばかりをへだてたる所に、左大臣殿の中納言殿の御乳母の月ごろわづらひけるが、爰にわたりて尼になりにける、とぶらひに、それもけふの、いみじくしのびやかにておはしたり?!袱ⅳ氦い撙浮工人激窑长à郡毪庖姢工挨筏郡郡?、ほどなくかへり給はむも心ぐるしう思されければ、その夜たちとまり給ひつるに、夜ふけて人しづまりぬるほどに、いとちかく吹きかふ風につけて、琴の聲ひとつに掻きあはせられて、いとおもしろく聞ゆるに、おどろき給ひて、「あな、おぼえな。たが住むところぞ」と、とはせ給へば、御乳母の少納言行頼ときこゆる、「法性寺の僧都の領(lǐng)する所には、この水無月より、いまの但馬守時明の朝臣の女なむ、わたりて住みさぶらふなり。月あかき夜は、かくこそあそびさぶらへ」と、きこゆれば、「それが女どもは、かかることやこのむ。思はずのことや」と、のたまへば、「かやうにいでゐてときどきあそぶ見給ふるに、いづれも目やすく見給ふる中にも、源大納言の子の辨少將に契りてかしづきさぶらふ三にあたるは、すべてまことしく、優(yōu)げなる氣色になむ。式部卿宮(の)中將、石山に參りて、ほのかに見て、文などさぶらひけるを、女は返事などして、それに心よる氣色にさぶらひけれど、かの中將の、「しのびてときどきかよはむ。親に知られて、あらはれてはあらじ」と、さぶらひければ、親どもようながりて、辨少將に契てさぶらふなり」と申せば、わらひ給て、「さては、女は本意ならずやおもふらん。心ばせあるもの也。中將に心よすらん」と、のたまひて、竹のもとにあゆみよりて給て聞き給へば、琴の聲はいとよく掻きあはせられて、中にも箏の琴のときどきかきまぜたるは、いとすぐれてきこゆ。
九、中納言、中の君を垣間見て美しさに驚く
こなたもかなたも、竹のみしげりあひて、隔てつきづきしくも固めず、しどけなきに、行頼おしあけて、「おなじくは、これよりいらせ給へ」と申せば、「人や見つけむ。かろがろし」とはのたまへど、箏の琴は、彈くらん人ゆかしく心とどまりて、やをらいり給へれど、こなたも竹おほしくしげりて、よこたはれ廣ごりたる松の木のかげにて、人見つくべくもあらず。軒ちかき透垣のもとにしげれる荻のもとにつたひよりて見給へば、池、遣水のながれ、庭の砂子などのをかしげなるに、簾まきあげて、卅にいまぞをよぶらんと、おぼゆるほどなる人、高欄のもとにて和琴をひくあり。頭つき·容體ほそかに、しなじなしくきよらなるに、髮のいとつややかにゆるゆるとかかりて、めやすき人かな、と見ゆるに、むかひざまにて、紅か二藍かの程なめり、いとしろくすきたる、このましげなる人、すべりおりて、長押におしかかりて、外ざまをながめいでて、琵琶にいたく傾きかかりて掻きならしたる音、聞くよりも、うちてもてなしたるありさま·かたち、いと氣色ばみ、なつかしくなまめき、こぼれかかれる額髮のたえまの、いとしろくをかしげなる程など、まことしく優(yōu)なる物かな、と見ゆるに、箏の琴人は、長押の上にすこしひきいりて、琴はひきやみて、それによりかかりて、西にかたぶくままに曇りなき月をながめたる、このゐたる人々を、をかしと見るにくらぶれば、むら雲(yún)のなかより望月のさやかなる光を見つけたる心地するに、あさましく見をどろき給ぬ?!袱长欷长饯?、行頼がほめつる三の君なめれ。長押のはしなるは、姉どもなめり。これこそ、そのきはの勝れたるならめ。いかで目もあやにあらん」と、まもるに、「かたちは、やむごとなきにもよらぬわざぞかし。竹取の翁の家にこそ、かぐや姫はありけれ」と見るにも、このほどのさまは、なめづらかなり。
契やありけむ、こよひは過すべうもあらねば、やをらたちいで給ひて、行頼に、「この竹のなかにかくれて」といひて、かへりいりて見給へば、和琴の人は、いりにけり。琵琶·箏の琴の人は、物語り忍びやかにしつゝながむめり。人は池のわたりなど涼みありくなるべし、そなたに聲などあまたして、いとしづやかなるに、「ゆくりなく、あはつけき振舞は、をのづからかろがろしきこともいでくるを」と、ありがたくおぼしおさめたる心なれど、我ながらあやしくしづめがたきを、人の程を、こよなき劣りとおもふに、あなづらはしく、「こよひをすぐしてまた言ひよらん風のたよりも、さすがにあるべきやうもなし」と思しよりて、月かげのかたによりて、やをらいり給にけり。