摘 要:中日雙語(yǔ)的量詞使用有諸多異同之處。其中,二者都有通過(guò)“數(shù)詞1+量詞+名詞”的否定格式來(lái)表示徹底否定意思的功能。在先行研究中,有關(guān)于漢語(yǔ)比日語(yǔ)更頻繁地使用“數(shù)詞1+量詞+名詞”格式的研究。文章聚焦于“數(shù)詞1+量詞+名詞”的否定格式,運(yùn)用中日對(duì)譯語(yǔ)料庫(kù)中的四種文本,來(lái)考察雙語(yǔ)中該格式的使用情況??疾旖Y(jié)果證明:在“數(shù)詞1+量詞+名詞”的否定格式使用時(shí),中日無(wú)明顯差異,不能成為漢語(yǔ)比日語(yǔ)更頻繁使用“數(shù)詞1+量詞+名詞”格式的證明。
關(guān)鍵詞:中日對(duì)照;語(yǔ)料庫(kù);量詞;“數(shù)詞1+量詞+名詞”否定格式
中圖分類號(hào):H36 ? ?文章編號(hào):2095-624X(2019)17-0028-02
一、引言
中國(guó)語(yǔ)と日本語(yǔ)の「數(shù)詞「一」+類別詞+名詞」の使用は、互いに類似している部分もあるが、異なる部分もある。「數(shù)詞「一」+類別詞+名詞」を否定することによって、徹底的な否定を表すことができることが、両言語(yǔ)の類似點(diǎn)として挙げられる。
日本語(yǔ)より中國(guó)語(yǔ)の方が 「數(shù)詞「一」+類別詞」を多用していることが論じられていた(大河內(nèi)1985、張2001、李2012、崔2014)が、否定を行う「數(shù)詞「一」+類別詞+名詞」の場(chǎng)合はどうだろう。本稿は中日対訳コーパスを用いて、否定文に現(xiàn)れる「數(shù)詞「一」+類別詞+名詞」を取り上げて、その使用狀況について考察を行いたい。
二、研究方法
考察の資料として、北京日本學(xué)研究センターが開(kāi)発した『中日対訳コーパス(2003 版))を利用して、日本語(yǔ)の小説とその中國(guó)語(yǔ)訳文、中國(guó)語(yǔ)の小説とその日本語(yǔ)訳文の4種類のテキストを使って考察を行う。
研究の手順は以下のように設(shè)定する:
(1)上記の小説とそれらの訳文から、日本語(yǔ)と中國(guó)語(yǔ)の「一」に対応するすべての形を
含む「數(shù)詞「一」+類別詞+名詞」のある文全てを抽出する。抽出に使う正規(guī)表現(xiàn)は以下になる:
日本語(yǔ):(一|1|1|いち|ひと|いっ)
中國(guó)語(yǔ):(一|1|1)
(2) 抽出した例文を Excel で読み込み、考察対象にあたるものを抽出し、整理する。
(3)各例文の分析を行う。
三、調(diào)查與分析
1.中國(guó)語(yǔ)原文とその日本語(yǔ)訳文
「數(shù)詞「一」+類別詞+名詞」は、否定を表す「沒(méi)有,不(ない),別,甭(?しない)」と共起し、徹底的な否定を表す。以下の例を見(jiàn)よう。
(3-1a)
“這不怪你。”二嬸整了整衣衫。眼里沒(méi)有一滴眼淚,干干的。
(3-1b)
「あんたのせいじゃない」彼女は身なりを整えた。目に涙は一滴もなく、乾いていた。
(『小鮑荘』)
(3-2a)
“只怕、要是、那你連一根騾子毛也甭想見(jiàn)到!”
(3-2b)
?ねえ?ひょっとすると?騾馬の毛一本お目にかかれないかもしれないよ!?
(『紅高粱』)
(3-1a)、(3-2a)は、それぞれ否定を表す「沒(méi)有(ない)、甭(?しない))で、「眼淚(涙)、騾子毛(騾馬の毛))を否定している?!秆蹨I(涙一滴)、騾子毛(騾馬の毛一本))は、いずれも実際に存在するものではなく、ある対象として識(shí)別され、指示されることができない。つまり、「數(shù)詞「一」+類別詞+名詞」で現(xiàn)れる名詞は、非指示的 (non-referential西山2003)名詞であり、否定の意味を表すために「道具」として使われているだけである。
また、(3-1a)は、焦點(diǎn)が「涙」そのものに絞られるのではなく、「涙がない」という表現(xiàn)で「主人公の穏やかな気分」を表しているのである。(3-2a)も同じく、焦點(diǎn)が「騾馬の毛」にあるのではなく、極めて小さい「騾馬の毛一本」を否定することを通じて「何もない」という意味を強(qiáng)調(diào)しているのである。
2.日本語(yǔ)原文とその中國(guó)語(yǔ)訳文
「數(shù)詞「一」+類別詞+名詞」は、否定を表す「ない」、「ぬ」、「ず」などと共起し、徹底的な否定を表す。以下の例を見(jiàn)よう。
(3-3a)
適當(dāng)な濕気さえあれば、一日で芽をふきそうな雑草が、ところどころに淺い根をひろげている以外、生物らしいものの影一つない。
(3-3b)
只要有適當(dāng)?shù)臐穸?,一天就?huì)發(fā)芽的雜草,隨處叉開(kāi)它那淺淺的根;除此以外,再?zèng)]見(jiàn)一絲生物的影子。
([『砂の女』)
(3-4a)
月は、まだ薄色で冬の夜の冷たい冴えはなかった。鳥(niǎo)一羽飛ばぬ空であった。
(3-4b)
月色雖已漸漸淡去,但余韻無(wú)窮,并不使人產(chǎn)生冬夜寒峭的感覺(jué)。天空沒(méi)有一只飛鳥(niǎo)。
(『雪國(guó)』)
(3-3a)、(3-4a)は、それぞれ「ない、ぬ」で「生物らしいものの影一つ、鳥(niǎo)一羽」を否定している?!干铯椁筏い猡韦斡?、鳥(niǎo)」は、いずれも実際に存在するものではなく、ある対象として識(shí)別され、指示されることができない非指示的名詞であり、否定の意味を表すために「道具」として使われているだけである。
(3-3a)も(3-4a)も、「量が少ない」という意味を持つ「一」を否定することを通じて、「「一」さえない」、「何もない」という寂しさを表していると考えられる。
3.両言語(yǔ)における使用狀況の比較
否定を行う場(chǎng)合の「數(shù)詞「一」+類別詞+名詞」の使用狀況を確認(rèn)するため、中日対訳コーパスでその出現(xiàn)回?cái)?shù)を調(diào)べた。
表2に見(jiàn)られるように、否定を行う場(chǎng)合の「數(shù)詞「一」+類別詞+名詞」は、日本語(yǔ)より中國(guó)語(yǔ)で多用されているとは斷言できない。
四、結(jié)論
本稿は否定を行う「數(shù)詞「一」+類別詞+名詞」パターンを?qū)澫螭趣?、コーパスを用いて対照考察を行った。
「數(shù)詞「一」+類別詞+名詞」を否定することによって、徹底的な否定を表すこと機(jī)能が、中日対訳コーパスの4種類のテキストで確認(rèn)できた。それぞれの出現(xiàn)回?cái)?shù)から見(jiàn)ると、どの方が「多用している」ことが斷言できない。また、否定を行う「數(shù)詞「一」+類別詞+名詞」パターンで使う名詞は非指示的であり、否定の意味を表すために「道具」として使われていることが分かった。
本考察の問(wèn)題點(diǎn)としては、コーパスの規(guī)模が小さいことと、翻訳テキストのオリジナル性が弱い點(diǎn)が挙げられる。大規(guī)模なコーパスによる考察とオリジナルテキストによる考察を今後の課題にしたい。
參考文獻(xiàn):
[1]大河內(nèi)康憲.量詞の個(gè)體化機(jī)能[J].中國(guó)語(yǔ)學(xué),1985(232).
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[5]崔明姫.現(xiàn)代日語(yǔ)數(shù)量表達(dá)方式的研究[M].上海:上海交通大學(xué)出版社,2014.
作者簡(jiǎn)介:李子(1985—),女,蒙古族,遼寧阜新人,碩士,沈陽(yáng)師范大學(xué)國(guó)際交流合作處教工,研究方向:日語(yǔ)語(yǔ)言學(xué)(中日對(duì)照)。