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日本の寒地,北海道におけるうるち米粒外 観 品質(zhì)の年次間地域間差異とその 発 生要因(日文)

2020-12-08 03:22丹野
糧油食品科技 2020年6期
關(guān)鍵詞:整粒影響精米

丹野 久

(北海道農(nóng)産協(xié)會(huì),日本 北海道札幌,060-0004)

キーワード:うるち米粒外観品質(zhì);年次間差異;地域間差異;発生要因;寒地

北海道の1等米比率は,1970年代以降大きく上昇した。その結(jié)果,舊來(lái)日本全國(guó)に比べ低かったが,1998年以降高くなり,同年から2018年までの21カ年の平均で北海道が86%±7.1%(±標(biāo)準(zhǔn)偏差)と日本全國(guó)の 76%±5.9%より 10%高かった。(図 1)。しかし,その年次間差異を示す標(biāo)準(zhǔn)偏差の値は日本全國(guó)よりやや大きく,これを小さくする必要があった。

図1 北海道と日本全國(guó)における1等米比率および作況指數(shù)の年次推移[1]

また,同21年間で1等米比率が85%以下となった年次は7カ年あった。それらの落等要因は,多くの年次で,腹白粒や心白粒などの白未熟粒の発生による整粒不足や青未熟粒などによる充実度不足であった。さらに,アカヒゲホソミドリカスミカメの多発生による斑點(diǎn)米を含む著色粒の発生も見(jiàn)られた(表1,図2)。

表1 1998—2018年において北海道の1等米比率が85%以下となった7カ年の落等要因[2-8]

図2 農(nóng)産物検査規(guī)格での玄米品位(等級(jí))における被害粒,死米,著色粒および未熟粒の例

作況指數(shù)と 1等米比率の関係を見(jiàn)ると,1998—2018年では作況指數(shù)が高い年次ほど1等米比率が高くなった(図3)。一方,1971—1997年でこの関係は明確でなく,その要因は同期間における育種による外観品質(zhì)の向上[10]や栽培法の改善[11]による影響が反映されているためと推測(cè)された。また,この相関関係は日本全國(guó)平均ではみられず,北海道に特徴的な関係であった。

図3 北海道と日本全國(guó)における作況指數(shù)と1等米比率との間の関係[1]

一方,食味に係わるアミロース含有率と精米蛋白質(zhì)含有率(以下,蛋白)では,年次間差異が地域間差異に比べ大きく,それは栽培期間や生育ステージ別での気溫の年次間差異が地域間差異よりも大きく,玄米収量などの生育特性でも大きいためであった[12]。これらのことから,米粒外観品質(zhì)の年次間差異や地域間差異も水稲の生育ステージ別気溫や生育特性の差異に影響されていることが考えられる。

そこで,本報(bào)では,米粒外観品質(zhì)として整粒,整粒から除かれる未熟粒,被害粒および死米,整粒に含まれるが落等要因となる著色粒および精米の外観評(píng)価に影響する玄米白度と精米白度を取りあげた。主に 1999—2006年の 6~8年間,15地域における調(diào)査結(jié)果から,それら米粒外観品質(zhì)の年次間と地域間の差異を解明するとともに,それらと気象および生育特性との間の関係を明らかにした[13-14]。さらに,未熟粒,被害粒,死米および著色粒の発生の抑制および玄米白度と精米白度の上昇を図る外観品質(zhì)向上のための栽培技術(shù)が開(kāi)発され,生産者に普及?指導(dǎo)されているので,その概要も紹介する。

1 米粒外観品質(zhì)の年次間地域間差異

整粒歩合,未熟粒歩合,被害粒歩合,死米歩合,さらに著色粒歩合,玄米白度および精米白度において,最大値と最小値の差異および標(biāo)準(zhǔn)偏差を年次間と地域間で比べると,いずれも年次間が大きかった。すなわち,年次間差異は地域間に比べ,被害粒が最大でそれぞれ6.5,6.2倍,次いで整粒,未熟粒および著色粒の2.5~3.1,2.9~3.1倍,玄米白度および精米白度が2.0~2.1,2.4~3.1倍で,それらに比べ,死米が最も小さく1.1,1.9倍であった(表2)。

表2 年次間と地域間における米粒外観品質(zhì)の統(tǒng)計(jì)量[13-14]

2 生育ステージ別気溫および生育特性の年次間地域間差異

出穂前24日以降30日間である障害型冷害の危険期(以下,障害危険期)の平均気溫および出穂後40日間の日平均積算気溫(以下,登熟気溫と記す)の年次間差異は地域間差異に比べ,また年次間の標(biāo)準(zhǔn)偏差は地域間に比べ,それぞれ2.4~3.4倍および3.6~3.9倍と大きかった。さらに,不稔歩合,千粒重,玄米収量の生育特性および蛋白では,年次間の差異は地域間に比べ,また年次間の標(biāo)準(zhǔn)偏差は地域間に比べ,それぞれ1.3~3.1,1.5~3.4倍と大きかった(表3)。

表3 年次間と地域間における生育ステージ別気溫および生育特性の統(tǒng)計(jì)量[13-14]

以上のように,生育ステージ別の気溫や生育特性では,年次間差異が地域間差異よりも大きかった。そのため,米粒外観品質(zhì)の年次間差異が地域間差異よりも大きいと推察された。

3 年次間地域間における米粒外観品質(zhì)の間の関係

未熟粒歩合と被害粒歩合は,死米歩合よりも年次間と地域間の差異が大きいため,整粒歩合への影響が大きいと考えられた(表2)。それらの間の相関係數(shù)を比較すると,年次間では被害粒歩合が,地域間では被害粒歩合よりも未熟粒歩合で絶対値が大きく,整粒歩合により大きく影響すると思われた(表4,図4)。なお,供試年次の中で 2003年は,北海道の作況指數(shù)が73となる冷害年であった。本試験でも同年は他の年次に比べ被害粒歩合と著色粒歩合が高く,整粒歩合が低かった。

表4 年次間と地域間における米粒外観品質(zhì)の間の相関係數(shù)

図4 年次間と地域間における未熟粒歩合および被害粒と整粒歩合との間の関係

また,整粒歩合は年次間と地域間で被害粒歩合と負(fù)の相関関係があり,さらに被害粒歩合と正の相関関係が見(jiàn)られる著色粒歩合(図 5)とも負(fù)の相関関係があった。整粒歩合は地域間で玄米白度との間に正の相関関係があった。また,玄米白度と精米白度との間には,年次間と地域間ともに正の相関関係があった(図6)。すなわち,整粒歩合,玄米白度および精米白度を向上させる要因は類似し,それら要因は被害粒と著色粒を減少させると思われた。

図5 年次間と地域間における被害粒歩合と著色粒歩合との間の関係

図6 年次間と地域間における玄米白度と精米白度との間の関係

死米が多いほど年次間では,概して被害粒と著色粒が少なく,玄米白度と精米白度が高くなった。一方,地域間では,死米が多いと被害粒や著色粒も多く,玄米白度と精米白度が低くなった。このように,死米とこれら外観品質(zhì)との関係は,年次間と地域間で異なった。

4 年次間における米粒外観品質(zhì)と生育特性および生育ステージ別気溫との間の関係

年次間では,整粒が多いほど多収で低蛋白となった(表5,図7,図8)。また,障害危険期気溫が高く不稔歩合が低く蛋白が低いほど,さらに登熟気溫が高いほど玄米白度と精米白度が高くなった(図9,図10)。一方,被害粒と著色粒は,冷害危険期が高溫で不稔が少なく千粒重が重く多収なほど(表5),また登熟気溫がそれぞれ890,850℃になるまで高くなるほど,その発生が少なくなった(図11,図12)。

表5 年次間と地域間における米粒外観品質(zhì)と生育特性および生育ステージ別気溫との間の相関係數(shù)

図7 年次間と地域間における玄米収量と整粒歩合との関係

図8 年次間と地域間における精米蛋白質(zhì)含有率と整粒歩合との間の関係

図9 年次間と地域間における精米蛋白質(zhì)含有率と玄米白度および精米白度との間の関係

図10 年次間と地域間における出穂後40日間の日平均積算気溫と玄米白度および精米白度との間の関係

図11 年次間と地域間における出穂後40日間の日平均積算気溫と被害粒歩合との関係[14]

図12 年次間と地域間における出穂後40日間の日平均積算気溫と著色粒歩合との関係[14]

死米歩合とこれら生育ステージ別気溫や生育特性との間の関係は,整粒歩合や玄米白度と精米白度の場(chǎng)合に類似したがやや明瞭ではなかった。また,未熟粒歩合は,これら生育ステージ別気溫や生育特性との間の関係に一定の傾向がなかった。

5 年次間における未熟粒歩合と気象との間の関係

未熟粒歩合は年次間で登熟気溫が808 ℃で最低となり,それよりも高くなると白未熟粒が多くなり[15-17]または低くなると青未熟粒が多くなり[18],同歩合は高くなった(図13)。さらに,登熟期間である出穂後 1~20日の前半および21~40日間の後半における日平均積算気溫と未熟粒歩合との二次回帰曲線の決定係數(shù)を比較すると,登熟期間後半の値が大きく(表 6),影響度がより大きいと思われた。さらに,主要な未熟粒である乳白粒 ? 腹白粒は,高溫に加えて日照が少ないほど多くなった(図14)。

図13 年次間と地域間における出穂後40日間の日平均積算気溫と未熟粒歩合との間の関係[14]

表6 出穂後1~20日間および21~40日間における日平均積算気溫と未熟粒歩合との二次回帰式の決定係數(shù)の比較[14]

図14 出穂後40日間の日平均積算気溫と日照時(shí)間が乳白粒ならびに腹白粒の発生に及ぼす影響[19]

6 地域間における米粒外観品質(zhì)と生育特性および生育ステージ別気溫との間の関係

地域間では,登熟気溫が高いほど被害粒と著色粒が少なく,玄米白度と精米白度が高くなる傾向があったが,その他では相関係數(shù)の絶対値がやや小さく,明確な関係を示さなかった(表5)。ただし,死米は,泥炭土比率が高く灰色低地土比率が低いほど多くなった(図15)。すなわち,泥炭土は初期生育が劣るに関わらず,その後の窒素供給量が多く㎡當(dāng)たり籾數(shù)が多くなる特徴がある[20]。そのため,出穂が遅れた穂に著粒した籾が十分に登熟できず,死米が多くなると思われた。このように,死米発生の地域間差異には,土壌型の違いが影響し,このことが前述した3. における死米歩合と被害粒歩合,著色粒歩合,玄米白度および精米白度との間の関係が,年次間と地域間で異なった大きな要因と思われた。

図15 調(diào)査地域間における土壌型比率と死米歩合との間の関係[14]

7 米粒外観品質(zhì)を向上させる対策

以上のように,外観品質(zhì)を向上させるためには,未熟粒,被害粒,著色粒および死米の発生を抑制する必要がある。そのため,未熟粒および死米については,適正な栽植密度の遵守や側(cè)條施肥による初期生育の促進(jìn)および早期異常出穂の発生回避により穂揃いを良くするとともに出穂を促進(jìn)する。さらに,土壌診斷を用いた施肥量の決定などにより㎡當(dāng)たり籾數(shù)を適正化し,登熟期に土壌への十分な水分を供給し,同時(shí)に適期刈り取りを行う必要がある[11,18,21]。なお,これらの対策技術(shù)は,玄米形質(zhì)の充実度を高めることや光沢を良くすることにも有効である[21]。さらに,死米については,いもち病による登熟停止を防ぐため,防除を十分に行う。

被害粒について,発芽粒には多肥を避け倒伏を防止する。胴割粒には刈り遅れで降雨に當(dāng)てないことや,収穫後の高溫乾燥を避ける。また,茶米には,強(qiáng)風(fēng)地帯における防風(fēng)網(wǎng)の設(shè)置やケイ酸資材施用により葉鞘褐変病や褐変穂の発生を軽減すること[22-24](図 16),および適期刈り取りを勵(lì)行する[21](図17,表7)。

図16 出穂期のケイ酸含有率と褐変籾率との間の関係[23]

図17 刈取り時(shí)期と玄米外観品質(zhì)との間の関係[21]

表7 適期刈りと遅刈りにおける著色粒から分離したAlternaria菌接種による籾(穎)の褐変と著色粒の発生,および同菌接種と遅刈りが玄米に及ぼす影響[23]

また,著色粒は,アカヒゲホソミドリカスミカメによる斑點(diǎn)米[25-26](図18)が主であるが,エピコッカム菌による紅変米も年次により発生する[24]。これらの粒は,いずれも割籾が多い品種で発生率が高いので,作付け品種の選定に留意する(図 19)。また,同カスミカメの多発生防止のために,畦畔や周辺のイネ科雑草の適切な管理と水稲への薬剤散布による十分な防除を?qū)g施する[25]。紅変米は,成熟が進(jìn)む過(guò)程で玄米水分が高いほど感染しやすく癥狀も激しくなり、また籾周囲の濕度が高いほど多発するので(図 20),刈り遅れが生じないように注意し、収穫後は速やかな乾燥を行う[24]。

図18 アカヒゲホソミドリカスミカメの水田內(nèi)発生量と粗玄米斑點(diǎn)米率との関係[26]

図19 品種間における割籾率と著色粒である斑點(diǎn)米および紅変米の各発生率との間の関係[27-28]

図20 Epicoccum purpurascens菌の接種による玄米の紅変と相対濕度との間の関係[28]

さらに,玄米白度と精米白度を向上させるためには,整粒歩合を高め,低蛋白化を図ることが必要である(図9)。そのためには,初期生育促進(jìn)を含めた低蛋白米生産技術(shù)が有効である[29]。

備考:

1. 參考文獻(xiàn)の中で、國(guó)家を明記するジャーナル以外、その他はすべて日本語(yǔ)のジャーナルである。

2. 本論文のカラーグラフは本誌のHPサイト(http://lyspkj.ijurnal.cn/ch/index.axpx)、中國(guó)知網(wǎng)、萬(wàn)方、唯普、超星などのデータベースをダウンロードして取得できる。

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